えらいすんまへん、どんつきで三角座り

自分で云うのも何ですが全然タメにならないブログです

私とつき合って下さい・・・

密かに想い続けていた彼女から発せられた

まさかのひとこと

『私とつき合って下さい・・・』

 

高校二年の夏、あれ以後私の人生は一変した。

 

そろそろ梅雨明けを迎え、各地で高校野球の甲子園予選が始まるこの時期、必ずやあの想い出が甦るのです。

 

ようやく期末試験も終了。明日からいよいよ試験休みに突入

7月20日の終業式までの一週間、読書三昧が愉しみだ、イヤッホ〜!

 

教室の片隅。心のなかで雄叫びを挙げ

帰り支度の最中だった。

 

ふとクラス委員の中嶋麗子がこちら側を見つめる視線に気づいた。

え?

あぁ、私では無く、隣の健太への視線か。

 

はいはい ごちそうさま。

 

健太は二年生ながら野球部のエース。先日行われた地区予選三回戦。

甲子園常連の強豪校相手に、我が無名校が完封勝ちを収め、準々決勝へ駒を進めたのだった。

 

地方新聞とは云え、一面トップに報道され一気に健太は我が校と地区の英雄となった。

 

それに引き換え、この私と云えば、帰宅部。

影の薄い、いち高校生。

 

じゃあお先に失礼。

 

席を離れても、中嶋の視線はこの私を追い続けた。

 

え。健太?

 

思わず振り返ったものの、健太は もう一人の野球部員と席で喋り続けている。

 

え、顔に何か付いてる?

思わず廊下側の窓ガラスを見つめながら顔のあちこちを撫で回す。

 

もちろん何も付いて居ない。

じゃあ何故?

 

教室を出ると、中嶋も追いかけるが如く帰り支度をするや飛び出してきた。

 

中嶋麗子。。。

 

二年の春から同じクラスになったけれど、特に親しく会話をしたことも無い。

それどころか、目鼻立ちのはっきりした彼女、ややスリムながらも均整のとれたスタイル、勉強は常にトップクラス。ただ単に遠くから見つめるだけの憧れの彼女だけのコトだったのである。

 

その中嶋が視線だけでなく、はっきりとこの私を追いかけるかの様に、教室を飛び出してきたのである。

 

急に胸が熱くなり、ドキドキし始めていた。

 

あ、いや。んなワケない。

 

絶対に何かの間違いだろ

 

勇気を絞り出し振り返る。

 

え?

 

明らかにこちらを見つめる目と目があった。

 

すると彼女は小走りで私に駆け寄ってきた。

 

「小林君、少し時間はある?」

 

「え。えぇまぁ」

 

「ウワ。良かった。んじゃ。。。。」

何か言葉を探しているのか、いったん言葉が途切れたあと

 

「私とつき合って下さい」

 

「え!エッエエ!!」

 

「え駄目ですか?」

 

「あ、いやいや。てゆーかこの僕と?」

 

中嶋はもちろん と頷き

 

「じゃあ体育館へ」と云うや なんとスタスタ歩き始めた。

 

鏡を見つめたならば、真っ赤に頬を染めていたことだろう。

 

体育館はひっそりしていた。

 

期末試験中はクラブ活動は禁止。

 

え? 一体何?

 

ドギマギする私を振り返りもせず、中嶋は体育館裏口の前で立ち止まり言った。

 

「少し待って居て」

 

て 何を?

 

フェンシングの仕度をしてくるから。

 

【私と突き合いしてくれるんでしょ】

 

 

 

    (-_-;)